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竹の秋(たけのあき)
一年を通して変わることがないと思われる
竹にも秋があり、黄葉して落葉します。
ただ竹の場合は、普通の樹木とは反対に
春のちょうど筍が頭を出す頃に、
竹の葉は黄色く色づき、
静かに葉を落とします。
これを「竹の秋」(たけのあき)と言います。
葉には、光合成を行う働きの他に、
根から吸い上げた水分を
葉の気孔から蒸発させる働きがあります。
寒さが厳しく水分の乏しい乾燥の時期に当たる秋から冬に、落葉樹が落葉するのは、
水分不足で枯れてしまわないためです。
一方竹は、3月の末から4月一杯にかけて
竹の子の成長に栄養分を消費するため、
5月から6月に竹の葉は黄色く色づいて
落葉します。
「竹落葉」(たけおちば)とも言います。
竹の子を育るために
やつれてしまったようにも見えますが、
黄色く紅葉し落葉していく小枝には
既に次の世代を担う若葉が芽吹いていて、
新芽に日光を当てるために
古い葉を落としているのだと考えられます。
そして、他の木々が落葉する秋には
逆に竹の子が一人前の竹となり、
「竹の春」となって、
すくすくと勢いづいていきます。