一年の新しい始まり、元旦の日に最初に昇る太陽のことを「初日の出」と呼びます。
「初日の出参り」が盛んになったのは、明治の頃からと言われています。
初日の出を拝む習慣が生まれたとも言われています。
「四方拝」 初日の出参りの起源とも言われる「四方拝」は、
一時は貴族や庶民にも広まったそうです。
天皇は、午前5時半(昔は寅の刻)に束帯を着て、
神嘉殿の南座(昔は清涼殿の東庭)に出御し、
宝祚の無窮(ほうそむきゅう)・天下太平・万民安寧を祈ります。
その儀式の中で、様々な災厄に対して
「過度我身」(私の身を通って浄められますように)と
祈りの呪文を唱えるそうです。
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本来、「元旦」とは「初日の出」のことで、
それが転じて「元日の朝」を「元旦」と言うようになりました。
「旦」という字は、朝雲から(もしくは地平線から)日が昇る様を表しています。
「ご来光」
高山などで迎える「初日の出」は「ご来光」と呼ばれています。
由来は、山頂の雲に自分の影が写り、
光の輪をまとった仏様の「ご来迎」に似て見えることからとのこと。
神々しい日の出は、「ご来光」そのものに感じられたのでしょう。
「初曙、初明かり、初茜」
夜明け近くの、ほのぼのと明るみが差す頃を「曙」と言います。
とりわけ、元日の曙を「初曙」(はつあけぼの)と言って、
その時空に差してくる明け方の光を「初明かり」(はつあかり)、
夜明けの茜色に染まった空を「初茜」(はつあかね)と言います。
そして日が昇り、「初日の出」を迎えます。
「初東雲」
元日の明け方のこと。「初曙」とおおよそ同じ頃を指します。
「東雲」(しののめ)は「篠の目」とも書きます。
これは「篠竹」で作った編み目のことで、昔の家の明り取りの役目をしていました。
転じて、夜明けの薄明かりも、「しののめ」と言うようになったそうです。